2012年8月アーカイブ
あいにくの天候でしたが,夜間観測第一日目の今日,エンジニアリング・ファーストライトを迎えることができました.まず最初のステップとして,すばる望遠鏡の主鏡を支えるアクチュエータや HSC の姿勢制御用パラメータを決めるための波面センサー「シャック・ハルトマン・センサー」に光を入ました.導入するまでに多少手間取ったものの,シャック・ハルトマン・センサーに搭載されたオートガイドカメラで,こと座のα星「ベガ」の光を捉えることができました.最初はまだ調整が必要なのでピントもあっていないボケた画像でしたが,いつもの試験光源とは明らかに異なる「天体像」が得られたときには,現場に居合わせたスタッフ全員で感激しました.まだまだ(今日の)試験(も)は続きます.(FN, YU)
日中の作業で機能確認を続けて来ました.今日はその結果を観測所に報告し,夜間に天体の光を入れて試験をして良いかどうかを判断する Readiness review 3 が開かれました.
詳細な議論の末,副所長から夜間観測の許可が出されました.まだ科学観測に使える写真が撮れるようになるまでは,まだ時間がかかりますが,まずは波面センサーの試験をするために,明日から夜間占有観測がスタートです.(YU)
今日は望遠鏡搭載作業中の HSC に電源を供給し続け,監視するための信号線をつなぐ「へその緒(昨日の写真の画面中央の白いケーブル)」を切り離し,望遠鏡から直接供給する系統へ切り替えました.
これまでつながっていた外部の供給線がなくなり,ついに完全に望遠鏡へ搭載されました.そして望遠鏡に HSC を搭載した状態で望遠鏡を動かしてみる試験を行いました.
人と比べると大きな HSC でしたが,すばる望遠鏡に載せてしまうとこじんまりと見えます.(YK, YU)
これまで装置交換階で望遠鏡搭載試験に向けて待機していた HSC ですが,本日予定通りすばる望遠鏡への搭載を実施しました.
昨年にはダミーレンズ鏡筒を使った搭載試験を行い,手順の確認などをしていましたが,今回の試験ではすべて本物の HSC 部品を使います.高さ3メートル,重さ3トンもの HSC をミリメートル以下の精度ですばる望遠鏡の主焦点位置に搭載する作業はとても緊張する作業でした.(YM, YU)
今日はハワイ観測所ヒロオフィスで,前回の Readiness review からの進捗を報告し,HSC を望遠鏡へ搭載し,試験することを認めるかどうかを審査する会が開かれました.
審査を経て,今月中に予定されている望遠鏡を占有した試験を開始することが認められました.(YU)
今日は,明日に予定されている,フィルタ交換機構を主焦点ユニット2 (POpt2) へ取り付ける準備をしました.フィルタ交換機構は試験・調整が続いていましたが,一度バラバラにして主焦点ユニットが待っている装置交換階へ移動します.
今日の写真はそのための準備作業の様子です.(YU)