2013年2月アーカイブ
今日も HSC の個性を調べるためにデータ取りを続けています.
今日の写真はフィルター交換機構 (FEU) でフィルターを交換している最中の写真です.HSC の横についているスタッカと呼ばれる部分が倒れている状態です.三鷹の実験室での動作試験時に撮影した映像はこちら. (YU)
夜間観測8夜目です.今日は昨日より空の条件が良くなりました.
現在の観測体制では山頂でデータを取得すると,すぐさま麓のヒロの施設に転送されて解析チームによって解析がなされます.解析の結果,視野全面で平均しても星の大きさが 0.5" を切るようなデータが得られるようになって来ました.
現行装置のサポートサイエンティストや観測制御システム部門のチームの協力で,どんどんと実際の観測のためのツールもテストが進んでいます.(SK, YU)
Stellar image size distribution over the field of view evaluated on some anonymous blank field. Median seeing is betther than 0.5 arcsec FWHM on this exposure!!
HSCの調整も徐々に進み、視野全面で0.6秒台の画像も撮れるようになってきました。本日のテストで撮影した、アンドロメダ銀河(M31)の生画像を紹介しましょう。全部で400チャンネル以上あるアンプ相互の感度補正や、電気的なオフセットなどの補正を一切していない正真正銘の生画像です。山頂ではこのような画像を確認しながら、観測を進めています。
大きなM31がHSCの1.5度角の視野にほぼ収まっているのが分かります。今の時期M31は日没後西の空45度くらいにあります。都会から離れた暗い場所であれば、肉眼でもなんとか見ることができます。
安定して高い結像性能が得られるよう、さらに調整のための試験観測が続きます。また、アンプ感度やCCD位置などのカメラ特性の精密測定が進むと、皆さんにもっと綺麗な画像をお見せすることができるようになります。ご期待下さい。
A tile of raw CCD images of HSC. Andromeda galaxy (M31) is taken. Image quality is roughly 0.6 arcsec (FWHM) all over the field of view. 2 min exposure i-band. 2013/02/01 HST
実際の試験には、M31のような大型の天体がない天域を使います。写っている星の大きさや形を評価して、視野内における分布が設計通りになっているかを調べます。左図は視野内での星の大きさの分布を示しています。一様に小さい値なのは、調整が順調に進んでいることを示しています(SM)。
Stellar image size distribution over the field of view evaluated on some anonymous blank field. Median seeing is 0.6 arcsec FWHM on this exposure. We see the gradual increase toward the edge which was expected from the change of the plate scale.